凸版印刷

凸状に彫った面にインクをのせ紙に押し当てる、最も古く親しみやすい版画の系統です。

凸版印刷(英語で relief printing)は、最も古く親しみやすい版画の系統です。考え方は単純で、白く残したい部分をすべて彫り取り、絵柄を版面に凸状に立ち上がらせます。インクをのせるのはこの凸面だけで、そこに紙を押し当てると、凸部の絵柄が刷られ、彫り取った部分は刷られずに残ります。表面が直接刷るため、画像は左右反転して出ます。木版画、リノカット、活版印刷は、いずれもこの系統に属します。

凸版印刷のしくみ

  1. 下絵を版に描くか写し取ります。仕上がりの版画は反転して出ることを忘れないでください。
  2. 白く残す部分をナイフや彫刻刀で彫り取ります。刷るのは彫り残した凸面です。
  3. 凸面に薄く均一なインクの層をローラーでのせます。
  4. 上に紙をのせて画像を転写します。手作業ならバレンやスプーンで、あるいはプレスで行います。
  5. 紙をめくって刷り上がりを確かめ、同じ版を重ねて同一の摺りのエディションを刷ります。

凸版印刷の魅力の一つは、プレスが必須でないことです。多くの作品は完全に手で摺られ、自宅で自分だけの版画を作り始めるのに最も手軽な方法の一つになっています。

版画の三つの系統

版画はふつう、インクがどこにあるかで三つの系統に分けられます。凸版ではインクは凸面にのります。凹版(エングレービング、エッチング、ドライポイント)はその逆で、インクは表面より下に彫った線に保たれ、版の上面はきれいに拭き取られ、強いプレスが紙を溝へ押し込みます。リトグラフのような平版では、表面は完全に平らで、どこにインクがのるかは化学の働きで決まります。凸版はこの三つの中で最も直接的で、特別な設備なしに最も試しやすい方法です。

凸版の技法の仲間

凸版印刷には、凸面で刷るという同じ原理を共有する幅広い方法があります。

  • 木版画 - 板目の木に彫る、凸版技法の中で最も古いもの。
  • リノカット - 木目のないなめらかなリノリウムに彫る、最も親しみやすい出発点。
  • 活版印刷 - 凸状の金属活字や木活字、図版から刷るもの。
  • 木口木版 - 硬い木口の木にビュランで彫り、非常に細く繊細な線を出すもの。
  • 身近な凸版の刷り - ゴム印や発泡素材の型から、簡単なジャガイモ版やブロックのスタンプまで、どれもまったく同じ考え方で働きます。

とても古い発想

凸版印刷は、一つの画像を複数複製する最も古い方法です。始まりは中国で、木版印刷はまず布に、やがて紙に用いられました。868年の『金剛般若経』は、年代の記された現存最古の完本の印刷書物です。1040年ごろ畢昇が可動活字を作り、ヨーロッパではヨハネス・グーテンベルクが1440年代に金属可動活字とプレスを組み合わせました。これは印刷を近代生活の中心に据えた凸版の技法です。活字も図版もどちらも凸版なので、文字と絵を同じページに一緒に刷ることができました。この表現を形づくった版画家たちについて、記事で詳しく読めます。

道具と材料

凸版印刷を始めるのに必要なものはごくわずかです。

凸版印刷の始め方

プレスがいらず、道具もひと握りで足りるため、凸版印刷は版画への最良の入り口です。最もやさしい始まりはリノカットで、初心者向けのステップバイステップガイドや簡単なブロックプリントのスタンプがあれば、すぐに刷れるようになります。そこから木版画や活版印刷へ進み、版画用プレスや用品へとステップアップし、出会う新しい言葉には用語集を手元に置いてください。