バレンは凸版印刷のもっとも素朴で、もっとも大切な道具の一つです。結び目のある持ち手のついた、平らな円盤状の手道具で、インクをのせた版の上に紙をのせ、その裏を擦る――しっかりとこする――ために使います。こうして擦ることで版からインクが紙へと移り、バレンがあればプレスをまったく使わず、手だけで一枚を刷れます。何世紀ものあいだ日本の木版画の中心にあり、今日でも、家でリノカットや木版画をするとき、多くの人が最初に手に取る道具です。
バレンの使い方
バレンの使い方はこのうえなく直接的です。彫った版にローラーでインクをのせ、上に紙を一枚のせ、それからバレンで紙の裏を、インクが移るまでしっかり均一に擦ります。圧は自分の手で加減するので、刷り上がりの具合が手に取るように分かり、インクの足りないところは強めに押せます。この直接的な加減のしやすさと、重い道具がいらないことこそ、バレンが凸版の版を手で刷る昔ながらの方法である理由です。詳しい手順は、初心者向けのステップバイステップガイドでご覧いただけます。
伝統的な日本のバレン
伝統的な手作りの日本のバレンは、三つの部分から成る小さな職人技の結晶です。その芯にあるのが巻いた紐――圧を生み出す、編んだ繊維の平らな渦巻きです。これが、当て皮(あてがわ)と呼ばれる台の円盤の上にのります。当て皮は、上質な紙を三十〜四十枚、漆で重ねたものです。全体はさらに竹の皮(たけのかわ)で包まれ、上で撚って持ち手にします。最上の皮は真竹(まだけ)から採れます。作るのは気の遠くなるほど手間がかかり、円盤は一日一枚ずつ、およそ五十日かけて重ね、その後一年乾かします。竹の皮はわずか一日刷っただけで巻き直しが必要になることもあります。
現代のバレン
今日、伝統的なバレンを自作する版画家はわずかで、よい現代の代替品が数多くあります。滑らかで均一な圧を生む小さな金属球を底に埋め込んだボールベアリング・バレンや、安価なプラスチックやナイロンのバレンがあります。大きな木のスプーンから、ガラス瓶の滑らかな丸い底まで、簡単な代用品も使えます。Ritualis Press では、自分たちの現代のバレンを二つ作っています。紙の上を滑り、刷り上がっていく様子が見える滑らかなガラスの円盤、ガラスバレンと、伝統的な道具の温かみを日々の刷りにもたらす木製バレンです。その背景にある物語は、ガラスバレンと木製バレンの記事で読めます。
バレンか、プレスか
バレンと印刷プレスは、インクをのせた版に紙を押し当てるという同じ仕事を、まるで違うやり方でこなします。バレンは安価で持ち運びやすく、すばらしく手ごたえがあり、台所のテーブルでのリノカットや木版画の刷りにぴったりです。プレスはより強く均一な圧をかけ、大きなエディションを楽にしますが、値が張り、場所もとります。多くの版画家は両方を気持ちよく使い分けます。ちょうどよい一つを見つけに、版画用バレンの品ぞろえをご覧ください。
Ritualis Press のバレン
初めての一枚を刷る方も、工房を整える方も、よいバレンは持っていていちばん報われる道具の一つです。私たちのガラスバレンと木製バレンをのぞいてみて、合わせてリノカットをそろえ、バレンが版画という広い世界のどこに位置するかを見てみてください。ほかに出会う言葉は、用語集が解説します。